2012年9月9日日曜日

守り犬・ざるかぶり犬

《備後屋》の地下郷土玩具売場にいらしゃったお客様が、ぐるっと売場を一周されると、「えー、なんでこれざるかぶってるの?おかしくね?」という声をよく耳にします。
そういう時、私”ずぼんぼ”は得意になって「ざるかぶり犬」について説明します。
守り犬¥2625 ざるかぶり犬¥2625 幅約8cm

これには幾つか意味があるんですよ〜。赤ちゃんが夜中に泣いたり、かんしゃくや、ひきつけを起こす事を”疳の虫(かんのむし)が騒ぐ”といいますよね。その架空の虫をざるを被せて”虫封じ”をするというおまじないの意味がひとつ。そして、ざるは水をすくっても通ってしまうので、鼻づまりがなおるようにという願いをこめて寝ている子供の真上に吊るしておくと治ると言い伝えられています。あと、もうひとつは、漢字で竹かんむりに犬と書いて、”笑”という字になるという江戸のジョークです。

これをお聞きになると、みなさま「へぇ〜」と感心されます。
まあ、郷土玩具がお好きな方は知らない方がいないというほど、常識的なお話しですが…
今でこそ偉そうに語っている私”ずぼんぼ”ですが、何を隠そう郷土玩具売場で働く様になり、お客様に「なんで?」と聞かれて、説明書を読んで初めて知った知識でした。
一昨日のブログに書いた、お客様に聞かれて調べてわかり覚えた最初のことでした。

”ざるかぶり犬”の隣りにいる、でんでん太鼓を背負った”守り犬”。
江戸犬張子は、江戸の代表的な玩具で、お子様をお守りするといわれています。
犬は正直で魔障を除くといわれ、家内を守り、外にあっては危難を知らせます。
江戸末期(1800年頃)江戸の職人さんたちの手で犬張子は作られ始めました。お子様誕生の日から男子は31日、女子は33日に氏神様へお宮参りをします。その帰りにご挨拶に廻った家々からは、お子様の幸せと成長を祈り、でんでん太鼓を麻で結んだ犬張子を贈られたようです。数が多いほど贈られた家が繁栄すると言われました。犬は常に安産をするというので、ご婚礼の道具に犬張子を加えた地方もあったようです。

どちらの張子もご出産のお祝いだけではなく、ご結婚、新築、開店などのお祝いの贈り物としてさしあげると喜ばれること間違え無し!のかわいい郷土玩具です。

大きい子たちもいます。  犬張子7号

犬張子(中) (大)

1 件のコメント:

  1. 家にも「いせ辰」さんの「笊かぶり犬」がいます。
    竹かんむりと、犬で笑うと疳の虫の話は知っていましたが
    鼻水の話は知りませんでした。
    誰かに話したくなりますね。

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