2013年9月8日日曜日

でんでん太鼓

江戸玩具の逸品犬張子の背に乗せられた、目覚めるような彩色のでんでん太鼓は、お子様誕生のお祝いものとして唯今も行われて居ります。
誕生祝いは勿論犬張子が主で、でんでん太鼓は云わば添え物なのですけれども、紙の細工で金の絵具の華やかな此れが、どのくらい童画的の表現で様式化された犬張子を引立てて居るか判りません。

昔は此のでんでん太鼓を赤子のお顔の近くで振ってあやしたのですし、幼いお子がお座りになると自ら振って遊ばれたもの、ところが現在は観賞用となり江戸趣味紙芸作品になりました。(幼いお子がお手遊びの場合、ねぶると云う事もあり、泥玩具ですから、犬張子ともにそれは禁もつでございます。)






さて、でんでん太鼓は江戸末期の作品と存じます。その形の上からは安永二年(1775)の正月に出版されました北尾重政画の狂歌画集「江都二色」にある、振づつみの変形でありましょう。
和紙の鼓の両耳に二つの糸をつけ其の糸の先に大豆がついてゐて、手で鼓につけた木の柄を振りますと、てんてんと冴えた音をたてまことに素朴愛すべきものです。
転々という字の解は、それからそれへうつりゆくさま、ころがり行くさまで、太鼓の音の方は填々(てんてん)と云う字で、これは太鼓のとどろく景容とされます。
そこで、でんでん太鼓はてんてん太鼓であったかも知れません。
江戸時代の子守唄に「里のみやげに何もろた、でんでん太鼓に笙(しょう)の笛…」とあって、てんてん太鼓ではどうも云いにくいその言葉の調子からでんでん太鼓の名称が出来たように考えられますが、如何なものでしょうか。
四代目 いせ辰 記



ああ、あの“江戸の子守唄”の歌詞の最後はこうだったんですね〜

♪ ねんねんころりよおころりよ
ぼうやはよい子だねんねしな

ぼうやのお守りはどこへ行った
あの山こえて里へ行った

里のみやげに何もろうた
でんでん太鼓に笙の笛



こんな愛らしいでんでん太鼓だったら、
赤ちゃんが大きくなっても飾っておきたいでしょ?

いや、赤ちゃんがいなくても飾っておきたいかも…(o^∇^o)ノ

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