2014年12月4日木曜日

俵有作展 水墨の波動

《備後屋》の最上階5階。
そこには10年前まで〈ギャラリー華〉という素敵な空間がありました。

いつもコーヒーの香りが漂い、クラシック音楽が流れ、
世界中から蒐められたとびきり魅力的な品々がそこらじゅうに溢れていました。



2004年の夏、突然主を亡くした〈ギャラリー華〉は、
ひっそりとその扉を閉じました。


ギャラリーの片隅で主は気が向くと筆をとり、
黙々と”なにか”を描いていました。


一見強面で厳格なイメージ。
でも、実は子供や動物が大好きなとてもとても優しく面白い人。
「ギャラリーの窓の縁に毎日お米を置いていたら、窓の所にすずめさんがビッシリ並んでね」と、嬉しそうに話す笑顔が今も忘れられません。


主の名前は俵有作。《備後屋》店主の弟です。


あの黙々と描かれていた”なにか”は、
実は俵有作の偉大な”作品たち”でした。


その”作品たち”が、明後日2014年12月6日(土)より2015年2月8日まで
練馬区立美術館で、みなさまに無料でご覧頂けます。
国内では初めての美術館での展覧会です。

ぜひぜひご覧になってくださいませ。





俵有作展  ー水墨の波動ー

俵(たわら)有作(ゆうさく)(1932~2004)は日本の古玩具・古民具の収集家であり、
何冊もの研究書を上梓した古玩具研究者としての一面と共に、
水墨を基調としたドローイング作品を発表し続けた作家です。
広島県尾道市に生まれた俵は高校時代、洋画家の小林和作に師事し、俵有作の画号を得ます。上京してからは民藝の収集、紹介にたずさわりながら独学で絵を描き続けます。
芹沢銈介や猪熊弦一郎らに愛された彼の作品は、あるものは書を想起させ、またあるものは山水画、そして仏画をイメージさせます。

レオナルド・ダ・ヴィンチを慕い、南宋山水画に遊び、アンリ・ミショーを想う…。

静かなる観念世界を墨の濃淡と微妙な筆致で現出させる稀有な美術家であると言えるでしょう。
練馬区に長年暮らした、ゆかりの作家ではあるものの、国内よりむしろ海外で高い人気と評価を得ており、今回の展示も米国・インディアナポリス美術館、ヒューストンのアジア・ソサエティを巡回しての凱旋展であると同時に、国内の美術館では初めての展覧会です。


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