栃木県鹿沼市で鹿沼箒ときびがら細工を作っている、増形早苗さんが備後屋にご来店くださいました。
私”ずぼんぼ”は、2016年9月に鹿沼のご自宅兼工房にお邪魔してお話を伺って来ました。
鹿沼箒作りは曽祖父の時代から約100年続き、きびがら細工は昭和37年から祖父の青木行雄さんが始められ、早苗さんが3年間の修行を経て両方を引き継ぎました。
独立して、初めの頃は、材料の”きび”を業者から買っていましたが、
素人だと甘く見られ、半分くらいは中国産の粗悪なものを混ぜて売られたそうです。
しかし、早苗さんは「小さい頃から”きび”を触っていたので、
感触でそれがわかった」と言います。
それから、材料を自分で確保したいと思い、無農薬栽培をしてくれる人を探したところ、運良く志のある青年に出会えて、化学肥料を使わない無農薬栽培の”きび”を作ってもらえるようになりました。肥料は米ぬかやコーヒーかすで、
20アールの畑で3人の方が栽培しています。
虫や肥料不足で育たないこともあり、とても難しい栽培です。
あれからちょうど4年、早苗さんは研鑽を重ね、常に良いものを作ろうとする努力を惜しまない、そんな日々を続けられています。
今では工房にも小さな畑を作って箒草をご自分で育てているそうです。
栽培方法の実験や箒草について学ぶためでもありますが、種の保存や気候や万が一に備えて、栽培者さん(2カ所)だけでは無く、ご自分でも無農薬で栽培しているのです。
そして、4年前は婚約中だった早苗さん、今回は竿師の旦那様と一緒に来てくださいました。
「お二人とも職人だから、相通じるものも多いでしょう」と言うと、
「ぶつかることも多いですけどね」と笑ってらっしゃいました。
育った箒草の特徴に合わせて作るので、大きさと形はひとつずつ違います。
工業製品のように全てが規格通り、型にはめて作ったものでは無いのです。
自然のものを素材にした手作りのものは、一つ一つ違うのが当たり前。
箒の形が斜めになっているのは、その方が掃きやすいからなのに、まっすぐの方が綺麗なのでまっすぐのものを欲しがる方が多い。
そんな話で盛り上がりました。
きびがら十二支
きびがら細工を作っているのは日本で早苗さん唯一人。
ということは、世界で唯一人!なんです。
よく、備後屋の地下の売場に下りて来られて、きびがら細工を見て、
「これなら、俺でも作れるわ」と仰る方がいらっしゃいますが、
そんな時は「とんでもない!このきびがら細工は世界で唯一人しか作れないんですよ!
子供の時からおじいちゃまと遊びながら一緒に作っていたからできるんですよ!
すごい技なんですよ!」と
ガツンと言います。(ガツンとは言えない時もあります😅)
こうやって、作り手さんとお話しできるのは本当に嬉しいことです。
来年の干支の丑さん、愛おしいです。




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